腰を反らすと痛い場合の対処法を解説
整形外科でも多く発症し、受診してリハビリをすることが多い、腰痛。その中でも、起き上がる時や、長時間座って立ち上がる時、体を起こそうとする【反る】時に痛みが出る場合について、解説していきます。
よく、腰痛だから、腹筋鍛えたりしたらいいんだろ? 体をもっと反らしてストレッチすればいいんだろ? あん摩、マッサージで腰をほぐせばいいんだろ?などいろいろありますが、全てが合っているとは言い難いです。腰をそらすときはどのような対処をすればいいか、解説していきますので、ご自身の腰痛予防の糧になれば幸いです。
1. 腰椎の働きを理解しよう
腰椎は、背骨の一部で、上から順に頸椎、胸椎、腰椎に分かれています。腰椎の周りには多くの筋肉があり、これらが協調して働くことで、日常的な動作をスムーズに行うことができます。しかし、筋肉や関節に負担がかかると、腰を反らす動作で痛みが生じることがあります。
2. 腰を反らすと痛い主な原因
腰を反らすと痛い原因は、主に以下の4つです:
- 椎間関節への負荷(のけぞり腰痛)
椎間関節にストレスがかかり炎症を起こすことで痛みが出ます。特に反り腰の姿勢を長時間続けることが原因となります。 - 筋・筋膜への負荷
長時間のデスクワークや前屈みの姿勢が続くことで、脊柱起立筋が過度に緊張し、痛みが生じます。その結果反り腰が助長さえれてしまい、腸腰筋という背骨から、股関節の内側につく筋肉の柔軟性が低下してしまい、からだを持ち上げにくくなります - 脊柱管の狭まり(腰部脊柱管狭窄症)
椎体の後方にある脊柱管が狭まることで、神経が圧迫されて痛みが発生します。長時間の反り腰姿勢や加齢による変化が原因となることが多いです。 - 仙腸関節への負荷
仙腸関節に負担がかかることで痛みが出ることがあります。特に出産後の女性に多い症状です。
3. 【原因別】腰を反らすと痛い場合の対処法
腰を反らすと痛い場合の対処法を、原因別に解説します。
椎間関節への負荷の場合
反り腰姿勢を改善するための骨盤前後傾運動が有効です。
- 骨盤前後傾運動
- 椅子に座り、両手を腰骨に当てます。
- 鼻から大きく息を吸い、口から息を吐きながら骨盤を後方へ転がします。
- 鼻から息を吸いながら元の姿勢に戻ります。
筋・筋膜への負荷の場合
腰部のストレッチを行い、筋肉の緊張を和らげましょう。
- 脊柱起立筋ストレッチ
- 椅子に座ります。
- 身体を左右にゆっくりねじったり、横に倒したりします。
- 横に寝て胸を広げる運動でも背中の筋肉は緩みます。
脊柱管の狭まりの場合
股関節の付け根の筋肉を柔らかくすることで、反り腰姿勢を改善します。
- 腸腰筋ストレッチ
- 片膝立ちになり、お腹に軽く力を入れながら骨盤を前方へ移動させます。
- 股関節の付け根の筋肉が伸びた状態を10秒間保持し、反対側も行います。
- この運動をするときに、背中が、より反ってしまわないように注意しましょう
※この腸腰筋の柔軟性が著しく低く、痛みの原因のNO1って言っても過言ではないです。
この運動はしっかり行なってストレッチを行いましょう
仙腸関節への負荷の場合
腹筋やお尻の筋トレを行い、仙腸関節の安定性を高めます。筋肉を引き締めることで、骨盤が安定し、動作時にスムーズに股関節、腰椎を動かすことができます。また、腹筋とお尻の筋肉の筋力の不均等でも、反り腰などが発生しやすく、腰を反る際の痛みを助長しまうので、必須の筋力トレになります。
- バックブリッジ
- 両膝を曲げた仰向けの姿勢になります。
- 息を吐きながらお尻を持ち上げ、体が一直線になるところで数秒間キープします。
4. 最新の原因と対処法
最近では、腰を反らすと痛む原因として「テクノロジー腰痛」が注目されています。スマートフォンやパソコンの使用頻度が増えることで、悪い姿勢が習慣化し、腰に負担がかかるケースが増えています。この場合、以下の対策が有効です:
- 定期的に立ち上がる:1時間に一度は立ち上がり、軽いストレッチを行う。
- デスク環境の改善:椅子の高さを調整し、背中をまっすぐに保つ。
詳しくはこちらを参照してください。
5. まとめ
腰を反らすと痛い腰痛は、原因によって対処法が異なります。症状に合った対処法を選び、適切に行うことで痛みの軽減が期待できます。自己判断で無理をせず、必要に応じて医療機関を受診しましょう。この記事が、皆さんの腰痛改善に役立つことを願っています。
コメント