私は整形外科で働いている理学療法士ですが、よく患者さんからは
【膝で受診してリハビリしてるんやけど、肩や腰もみてくれんか?マッサージしてや】っとよく言われ
⭕️⭕️の接骨院やったら電気とかしてくれたなども言われてしまいます。
リハビリでオーダーされた場所に応じて関連するのであれば、他の部位(全身)もみますが、基本はリハビリは1箇所に対してのリハビリになります。
あとは、あそこは腰痛で、保険ずーと使えたで。
肩こりに電気当てるときなどもずーと保険やな。と整形外科と併用している人も多々います。
今回の内容は・・・
接骨院や整骨院に行く時、「健康保険は使えるの?」と気になる方も多いでしょう。実は、症状によっては健康保険を使って、低価格で施術を受けることが可能と上記のある患者さんの発言で、保険は本当は使えない(不正受給)している場所もあることもあります。そこで、健康保険が適用される症状とされない症状があるので、事前にしっかりと知っておくことが大切です。
このブログでは、接骨院・整骨院で保険が使える症状や注意点、整形外科との違いについてわかりやすく説明します。高齢の方にも安心して読んでいただける内容にまとめましたので、最後までご覧ください。
はじめに
柔道整復師と理学療法士の違いについて
患者さんにとっては、治療してくれる人の資格なんてどうでもいいかもしれませんが、お互いに誇りを持って仕事をしていますので、簡単に違いをお伝えしておきます。
理学療法士(Physical Therapist: PT)
- リハビリテーション専門職で、病気や怪我の後、身体機能を回復させるために、運動療法や物理療法(電気治療、温熱治療など)を用いてリハビリを行います。
- 病院、診療所、リハビリセンター、介護施設などで、手術後や脳卒中、脊髄損傷といったさまざまな疾患の回復をサポートする役割を担います。
- 主に運動機能の回復に重点を置き、筋力トレーニングや関節の可動域を広げるためのリハビリを行います。
柔道整復師
- 柔道整復師は、ケガの治療(骨折、捻挫、打撲、脱臼など)に強く、リハビリも行いますが、主に急性の外傷に対応します。
- 接骨院や整骨院で、怪我の後のリハビリとして、運動指導や機能回復を行うこともありますが、リハビリそのものに特化しているわけではありません。
結論
- 理学療法士は、特に長期的なリハビリに特化しており、手術後のリハビリや慢性的な疾患への対応が得意です。
- 一方、柔道整復師は、主に外傷の治療とその後のリハビリを担当し、急性期のケガの治療が専門です。
1. 接骨院・整骨院で健康保険が適用される症状
次に、接骨院・整骨院で健康保険が使える症状から確認しましょう。保険が適用されるのは、突発的なケガに限られます。具体的には次のようなものです。
- 骨折
- 脱臼
- 打撲(ぶつけた時の内出血や腫れ)
- 捻挫(足首や腰などをひねった時)
- 挫傷(肉離れなど)
これらは、突然の怪我による症状であり、痛みが強い場合には健康保険が適用されます。例えば、ぎっくり腰も「急性腰痛症」として扱われるため、健康保険で施術が受けられます。
2. 健康保険が適用されない症状とは?
一方、次のような症状では健康保険は適用されませんので、自己負担になります。
- 慢性的な痛みや疲れ
- 過去のケガによる痛み
- 加齢による痛み
- 肩こりや長期間続く腰痛
また、慰安目的のマッサージや骨盤矯正なども健康保険の対象外です。慢性の肩こりや腰痛などは、保険を使わず、全額自己負担での施術となります。
そこで、文頭で、電気をずーと保険きかしてやっていた・・・という患者さんの声は
全て不正受給、法律違反に値するものになります。慢性であれば保険適応外で、10割負担になります。
接骨院の言い値で負担額はまちまちになります。
3. 整形外科と接骨院・整骨院の違い
次に、整形外科と接骨院・整骨院の違いについて説明します。
- 整形外科は、医師が診察し、手術や投薬、リハビリテーションなどの医療行為を行う場所です。レントゲンやMRIなどの検査も行えます。
主にリハビリをするのは、怪我やリハビリ、運動療法、理学療法の知識に特化した理学療法士
がリハビリや理学療法を行います。 - 接骨院・整骨院は、国家資格を持つ柔道整復師が、主に手技(マッサージやストレッチ)を使って、ケガの回復をサポートする場所です。手術や薬の処方はできませんが、怪我の応急処置やリハビリの一環として利用されます。
※初めて行って、膝が変形してるね、椎間板痛めてるね、骨盤歪んでるね・・・など、レントゲンやMRI CTを使っていないのに診断するところは❌
接骨院や整骨院で治療を受ける前に、症状によってはまず整形外科で診断を受けることをお勧めします。特に骨折や重い症状の場合、医師の診断や同意が必要な場合もあります。
4. 接骨院・整骨院で健康保険を使う時の注意点
健康保険を使う際の注意点も確認しておきましょう。
- 症状やケガの原因を正確に伝えること
- 接骨院では、保険が適用される症状に限られています。どのような状況でケガをしたのか、しっかり伝えるようにしましょう。
- 同じ症状で複数の場所にかからない
- 同じ症状で、整形外科や他の接骨院にもかかると、健康保険が適用されなくなる場合があります。治療を併用する際は注意が必要です。
- 領収書や明細書を必ず受け取ること
- 毎回の施術後、領収書を必ずもらいましょう。医療費控除などで必要になるため、しっかり保管してください。
5. 施術の流れと支払いについて
健康保険を使う場合の施術の流れは以下の通りです。
- 健康保険証を提示
- 療養費支給申請書に署名
- 施術を受ける
- 一部負担金を支払う(通常は3割負担)
接骨院・整骨院では、患者が一度全額を支払うのではなく、「受領委任制度」により、保険者(健康保険組合)が直接治療費を支払う仕組みになっています。
ここで、慢性的な腰痛、肩こりなどはど保険適応外であることを忘れないように・・・
「受領内容回答書」には忘れずに対応しよう 接骨院・整骨院での保険診療に関して、後日保険会社から「受領内容回答書」という調査票が届くことがあります。 これは、保険適応が正しくされているか確認するための調査です。 アンケートだと思って放置を続けていると、受領委任払いから償還払いに変更される可能性があるので、忘れずに対応しましょう。
まとめ
接骨院・整骨院では、怪我による痛みがある場合に健康保険を使って治療を受けられますが、慢性の痛みや肩こりなどは保険適用外です。また、整形外科とは異なり、手術や薬の処方はできません。
初めて接骨院に行く際には、症状や原因を正確に伝え、健康保険をうまく活用しましょう。また、整形外科との併用や領収書の管理にも注意を払い、トラブルを避けるようにしましょう。
もしわからないことがあれば、事前に接骨院や整形外科に相談し、安心して通院できるように準備しましょう。
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