恥ずかしながら、私の娘もスマホを見る姿勢は首が前に出てしまい、いつも修正をしています。
最近では、中高生の肩こり症や首の痛みを訴える人が整形外科でも多く、姿勢の修正、修正するための頸部〜体幹部分の筋力の強化などもリハビリで指導しています。
そして、多くの人が首や肩の痛みに悩む原因として、「首が前に出る姿勢」、いわゆるストレートネックが挙げられます。
この姿勢は、首の骨(頚椎)が本来のカーブを失い、真っ直ぐになる状態で、私の娘と同様にスマホやパソコンの長時間使用が主な要因です。
ここでは、ストレートネックの原因、チェック方法、そして自宅でできるストレッチや筋トレを紹介します。少しでも痛みやストレートネックの予防に繋げられたら幸いです。
1. ストレートネックの原因とは。
1.1 スマホやパソコンの使用時間
スマホやパソコンの画面を長時間覗き込む姿勢が、首が前に出る原因の一つです。長時間にわたるこの姿勢は「スマホ首」とも呼ばれ、ストレートネックを引き起こす主要な要因です。長時間の使用によって周囲の筋肉の柔軟性や巧緻性が失われ、うまく首を上げることができなくなります。
1.2 猫背の影響
猫背によって背骨の自然なS字カーブが崩れ、結果として首が前に出てしまいます。背筋が弱くなると猫背が定着し、ストレートネックに繋がりやすくなります。
1.3 日常的な癖や習慣
日常生活で無意識に行っている動作、例えば歩いているときに下を向く、寝る時の姿勢なども、長期間続くとストレートネックを引き起こします。
2. セルフチェック方法
簡単なセルフチェックとして、壁に背中をつけて立ち、後頭部が壁から離れているか確認しましょう。後頭部が大きく離れている場合、首が前に出ている可能性が高いです。
3. 放置するとどうなるか?
首が前に出過ぎることで、首や肩に過度な負担がかかり、肩こりや首こりが慢性化します。さらに、重症化すると頭痛や腕のしびれも発生することがあります。適切な対処が必要です。肩こりだけでなく、小さい細かい筋肉が骨と骨に挟まり、最悪、肩の筋肉の断裂や、神経の圧迫によるしびれが戻らなくなります。
放置せずに、少しずつでもいいので、下記のストレッチなどをするのが効果的になりますのでしっかり行いましょう。
4. ストレッチと筋トレでの対処法
4.1 胸郭回旋運動
この運動は、背中の「胸椎」の動きを改善し、猫背を緩和します。
- 仰向けで片膝を90度に曲げ、両手を合わせて上半身を捻りましょう。
- 反対側の床に片手をつけ、捻った姿勢を維持します。
4.2 トランクローテーション
胸を張る運動は、背中の僧帽筋や菱形筋を鍛えます。
- 四つ這いになり、片方の腕を後頭部に当てます。
- そのまま肘を体を捻って体を開いて、肩甲骨、胸を動かします。
4.3 チンインエクササイズ
首の前側の筋肉を鍛えることで、首の正しい位置を取り戻す効果があります。
- 座って、顎を引きながら後頭部をタオル、または壁をで押すように運動を繰り返します。
- その際に背筋も伸ばすことで首周りの筋肉の強化、弛緩を繰り返します。
5. 最新の知見や注意点
ストレートネックは、病気が原因で発症することもあります。高齢者の場合、「首下がり症候群」などが原因で発症し、重症化するとパーキンソン病や重症筋無力症などの可能性があります。こればっかりは自力で治すことはできません。専門の運動方法や投薬などの治療も必要になってきます。
違和感がある場合は、専門の医療機関での検査が推奨されます。整形外科でも、パーキンソン病や首下がり症候群などの症状で来院される方もいますので、しっかりみてもらいましょう。
6. 日常生活の見直し
ストレートネックを治すにはやはり、リハビリで首にかかる負担などを減らす必要もありますが、日常生活での首や肩関節などかかるストレスも減らしていく必要があります。
6.1 枕や寝具の調整
枕が高すぎると、睡眠中に首が前に出てしまうので、枕の高さを見直しましょう。仰向けで呼吸が楽にできる高さが理想です。
6.2 作業環境の改善
パソコンの画面の位置や机の高さも見直してください。目線の高さに合わせ、首が前に出ないように意識することが大切です。
まとめ
ストレートネックは日常的な習慣や姿勢が原因で発生し、放置すると慢性的な痛みや健康への悪影響を引き起こします。正しい姿勢の維持、適切なストレッチや筋トレ、日常生活の改善がストレートネックの予防と改善に繋がります。
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