膝の内側の痛みの原因と対処法をわかりやすく解説
整形外科のクリニックでよくあるのが、膝の痛み。特に痛みを訴える場所は【内側】が多い。
特に中高年の方が多くなりますが、最近は若い方も多くなっています。
年代で痛いの原因が違うし、対処法はそれぞれ違ってきます。
今回はその原因と対処法をいくつか解説していきます。
運動やケアを知っていれば、予防にもつながりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
1. 膝の内側の痛みに関わる筋肉とは?
まず、膝を支えるための重要な筋肉について
膝周辺には、大腿四頭筋(太ももの前側)とハムストリングス(太ももの後ろ側)があります。
さらに、膝の内側には「鵞足部(がそくぶ)」という部位があります。
鵞足部
半腱様筋(はんけんようきん)、薄筋(はっきん)、縫工筋(ほうこうきん)という筋肉が集まっています。これらの筋肉が膝の内側にかかる負担を支えていますが、負担が大きすぎると痛みの原因になります。
これらの筋肉は、骨盤、股関節、膝関節と膝関節以外の動きもになっていますので、膝が痛い原因として柔軟性の低下や筋力の低下なども痛みにつながります。
膝以外の股関節、骨盤の動きも重要になりますので、覚えておいてください。
2. 膝の内側が痛い時に考えられる4つの原因
膝の内側の痛みには、いくつかの原因が考えられます。以下の4つが代表的なものです。
1・変形性膝関節症
原因: 加齢や筋力の低下により、膝の関節軟骨がすり減り、痛みが生じる状態です。特に高齢者に多い
原因の一つです。
特徴:
- 膝を動かし始める時に痛む
- 正座やしゃがみ込みが難しい
- 膝が腫れて水が溜まることがある
対処法: 大腿四頭筋の筋力を鍛えることで膝への負担を軽減します。例えば、クワドセッティング
「タオルつぶし運動」が効果的です。
2・鵞足炎(がそくえん)
原因: 上記の縫工筋、薄筋、半腱様筋が付着する鵞足部に炎症が起こることで痛みが発生します。
特徴:
- 長距離ランニング後に痛む
- 膝の内側を押すと痛い
- 階段の上り下りや立ち上がりで痛む
対処法: 内もものストレッチを行い、筋肉の緊張を和らげます。また付着部は骨盤、股関節の可動域も悪いので股関節の回旋する動きを出すことで痛みを緩和する人も結構います。
股関節運動と内転筋運動
3・半月板損傷
原因: 膝の関節内にある半月板が損傷することで痛みが出ます。特に急な動作やスポーツでの怪我が原因です。スポーツでの損傷だけのイメージがりますが、日常生活を普通に過ごされていても損傷することが多いのは知っていますか?
特徴:
- 膝を捻った時に痛む
- 膝を曲げ伸ばしする際に引っかかる感覚がある
- 膝に水が溜まって腫れている
対処法: 痛みがある時は安静にし、炎症が収まるまでは運動を避けます。アイシングを行い、痛みが落ち着いたら可動域を広げるトレーニングを行います。
お皿の周囲の脂肪体を緩めることで、大半の痛みが改善されることが多いのも特徴的です。
膝の変形により、血流が悪くなり、脂肪体への血流が減少し、脂肪体が硬くなることが多いので
そこを緩めるケアも効果絶大です。 変形性膝関節症の方にも効果ありです。
膝蓋下脂肪体のケア
4・タナ障害
原因: 膝の内部にある滑膜ヒダが、大腿骨と下腿骨に挟まることで痛みが出ます。
特徴:
- 膝のお皿が引っかかる感じがする
- 膝に何かが挟まる違和感がある
- 膝の内側を押すと痛む
対処法: 太ももの筋肉をストレッチすることで、滑膜ヒダと膝の摩擦を減らします。「大腿四頭筋ストレッチ」が効果的です。特に成長期の子供に多く見られてたりします。私も現在2名ほど担当しています。
太もも前のストレッチ
3. 膝の内側の痛みの対処法まとめ
膝の内側が痛い場合は、原因を特定することが大切です。特定するには、接骨院などCT、XPなど取れない場所ではなく必ず医者に診ていただくことをおすすめします。また、膝の痛みがひどい場合や、長期間改善しない場合は、すぐに専門の医療機関を受診することをおすすめします。
接骨院 整体院など CT MRI レントゲンなど検査できないところ
4. 膝の痛みはどれくらいで治るの?
みなさんはよくこう聞きます。
【先生、どれぐらいで治る?何週間? 何日に治る?】
膝の痛みもそうですが、筋力、柔軟性、要因や種類など人それぞれ違ってきます。治療期間が長くなる人もいますし、短くなる人もいます。
私も苦い経験がありますが、教科書どうりにお伝えして、治らない場面に落ち入り、患者が激昂したことがあります。
自分の発言ミスでもありますが、リハビリの期間はやってみないとわからないのが現実です。
またリハビリではどうすることもできない状態はOPEをしていく必要もあります。
OPEについても、【絶対治る】はないです。
最新の治療法の知見や対処法
最近の知見で、治療法についてもさまざまな方法が出てきていますので少し紹介します。
1・変形性膝関節症に対する最新の治療法や対処法
こちらの情報が膝の痛みの改善に役立てば幸いです。定期的に新しい情報を確認し、最新の知見を取り入れることも大切ですので、健康維持に努めましょう。
最新の知見: 最近の研究では、変形性膝関節症の管理において、筋力トレーニングだけでなく、「高強度インターバルトレーニング(HIIT)」が効果的であることも示されています。HIITは、短時間で心拍数を上げるエクササイズと低強度の運動を繰り返すトレーニング方法で、体重減少と筋力増強の両方に寄与します。また、HIITは従来の低強度運動よりも痛みの軽減と関節機能の向上に効果があるとされています。
※強度が強いため、痛みが少ない方にはおすすめです。強い方は控えましょう。
追加の対処法:
- 高強度インターバルトレーニング(HIIT)を取り入れる: まずは軽い負荷から始めて、徐々に運動強度を上げていきましょう。具体的には、1分間のウォーキングと30秒間の早歩きを交互に行うことからスタートし、膝の痛みや負担を感じない範囲で行うことが大切です。
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2. 鵞足炎の予防と治療における新しいアプローチ
最新の知見: 鵞足炎の痛みを予防するために、「フォームローラー」を使用した筋膜リリースが有効であることがわかってきました。筋膜リリースは、筋肉や筋膜の柔軟性を改善し、筋肉の緊張を緩和することで痛みを減少させる効果があります。
追加の対処法:
- フォームローラーを使用した筋膜リリース: フォームローラーを使って内ももや膝の周りの筋肉をゆっくりと転がし、筋肉の緊張をほぐします。これにより、筋肉の柔軟性が向上し、炎症のリスクを減らすことができます。フォームローラーを強く当てすぎると、逆に筋、筋膜の炎症を助長させてしまうリスクがあるので、使用には十分注意しましょう。
3. 半月板損傷に関する最新のリハビリ法
最新の知見: 半月板損傷の治療において、最近では「バランストレーニング」や「感覚-運動統合訓練」が注目されています。これらのトレーニングは、膝の安定性を向上させるだけでなく、神経系の反応を改善し、再発のリスクを減少させる効果があります。筋力だけでなく、脳からの命令を鍛えることで、より関節をスムーズに動かすことができます。
追加の対処法:
- バランストレーニング: 片足でのバランスを取る練習を取り入れましょう。最初は壁や椅子を支えにして行い、徐々に支えをなくしてバランスを取る力を高めます。
- 感覚-運動統合訓練: 不安定なサーフェス(例:バランスボールやエクササイズクッション)での運動を取り入れ、膝の安定性を高めます。
4. タナ障害に対する新しいアプローチ
最新の知見: タナ障害については、「低負荷エクササイズ」と「局所的な物理療法」が効果的であることが新たに示されています。低負荷エクササイズは筋肉の強化と柔軟性の維持に役立ち、超音波治療は炎症の軽減と痛みの緩和に効果があります。
追加の対処法:
- 低負荷エクササイズ: 膝を過度に負担しない範囲で軽いエクササイズを行いましょう。水中ウォーキングや軽い自転車運動が推奨されます。
- 物理治療: 理学療法士による局所的な超音波治療や体外衝撃波を受けることで、痛みの軽減と炎症の抑制に効果があります。体外衝撃波は拡散型と収束型があり、自費が多いです
まとめ
膝の内側の痛みの対処法について、最新の知見を取り入れて更新しました。膝の痛みの治療には、最新のリハビリ法やエクササイズが効果的であることがわかってきています。ただ全てが自分自身に合うかどうは、専門の方のアドバイスが必須です。
適切なトレーニングと治療法を選択し、膝の健康を維持するために努力しましょう。
膝の痛みが改善しない場合や悪化する場合は、必ず専門の医療機関で診察を受けることをお勧めします。
少しでも、試してみて良くなるんどえあれば幸いです。 今後も、いろんな情報をお伝えできるようにしていきます。
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